造血細胞移植学会の岡本理事長が「造血細胞移植患者手帳」ができあがったご報告にお越し下さり、造血幹細胞移植推進PT事務局長の中野ひろまささんと一緒にお話を伺いました。
現在、移植件数は増え、移植後の長期生存者も着実に増加しています。他方、個人差はありますが、移植を受けた患者さんは、強力な移植前の治療や、移植後の免疫反応とその治療により二次がんや新血管合併症等を発症する可能性が同年齢の移植をしていない人よりも高いことが明らかになっています。
そこで、造血幹細胞移植を受けられた患者さんが移植後も長期にわたって健康を維持できる体制をつくるために造血細胞移植学会が編集・発行して頂いたのが、「造血細胞移植患者手帳」です。
この手帳には、移植施設と土日や夜間など緊急時も連携できる体制できるよう、移植施設への連絡方法も明記するものとなっています。また、移植施設と地域のかかりつけ医の先生との間で情報共有できるよう、検診やワクチン接種、入院歴等診療記録を記入するとともに、移植施設からかかりつけ医へ特にフォローするにあたってお願いしたい事項なども記載されるものとなっています。
2015年3月に衆議院予算委員会において、中野ひろまささんから「患者手帳の手帳の取組を進めていくべき」との質問を厚生労働副大臣として受け、「全ての拠点病院において患者手帳の取組を進めていく」旨答弁してから約2年。この間、岡本理事長の下、造血細胞移植学会において精力的に内容の統一化を図って頂き、ようやくできあがりました。
今後、この手帳が出来たことをしっかりと関係機関に周知徹底し、その趣旨・目的をご理解頂くことが必要です。造血細胞移植学会のHPにおいても、今後、情報提供を図っていただくこととなっていますが、手帳を利用する患者さんからもお声を伺いつつ、フィードバックしていくこともお考えになっておられると伺いました。
引き続き、造血幹細胞移植の推進に全力で取り組んで参ります!