2013年12月10日火曜日

【NHKニュース 中教審 首長に教育行政決定権 別案も併記 12月10日 16時54分】

【NHKニュース 中教審 首長に教育行政決定権 別案も併記 12月10日 16時54分】

教育委員会制度の見直しについて検討してきた中教審=中央教育審議会は、10日、答申案をまとめました。
教育行政の最終的な決定権を自治体の長に与えるとする一方で、教育委員会に決定権を残す案も併せて記されていて、法律の改正に向けて議論が続くことになります。

教育委員会制度の見直しを巡っては、教育行政の最終的な意思決定の権限を自治体の長に与えるか、教育委員会に残すかが大きな焦点となってきました。
中教審の分科会は10日、取りまとめの議論を行い、決定権を自治体の長に与えて、教育委員会は人事や教科書採択の基準を示す審議会に位置づけることを答申案としました。
しかし、自治体の長が決定権を持つことについては、10日も「政治的中立性を担保できない」といった声が上がるなど、複数の委員が懸念を示してきたことから、教育委員会に決定権を残すという案も併せて記されることになりました。
分科会の会長の小川正人東京大学名誉教授は「中教審の答申で別の案を併記するのは極めてまれだ。それだけさまざまな議論があり、一つの意見にまとめるのが難しかったということで、その点に配慮して法案を作ってほしい」と話しています。
文部科学省は来年の通常国会に法律の改正案を提出する予定ですが、教育行政の最終的な決定権を自治体の長に与えることについては与党内からも異論が出ており、今後も議論が続くことになります。
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「歯止めとなる法案や制度に」

自治体の長に最終的な決定権を持たせることに強く反対してきた委員の1人、学校法人奈良学園の梶田叡一理事は「子どもの成長は長い時間がかかるものだが、短期で変わる政治家が決定権を持つと、選挙を意識した政策になるおそれがある。自治体の長が極端なことを言いだしたときに子どもたちが巻き込まれないように、歯止めとなるような法案や制度にしてほしい」と話しています。