2014年3月28日金曜日

東日本大震災復興特別委員会質疑から

 
 
東日本大震災復興特別委員会質疑から
【質問要旨】(文部科学副大臣、復興担当大臣)
◎災害に強い学校施設の在り方について
◎避難路整備に関して国の財政支援拡充について
◎復興特別会計の対象外である避難路の整備の見直しについて
◎被災地における子ども・子育て支援新制度の取り組みについて...


186-参-東日本大震災復興特別委員会-004号 2014年03月26日(未定稿)

○山本香苗君 引き続き、公明党の山本香苗でございます。質問させていただきます。

三月七日に、東日本大震災から浮かび上がった学校施設の重大課題のうち、津波対策及び避難所となる学校施設の在り方につきまして報告書が取りまとめられました。この報告書を受けまして、文部科学省としては具体的にどういった対応をされますか。

○副大臣(西川京子君) お答えさせていただきます。学校施設、この前、相当なところが避難所になりました。そして、そのときの学校施設の言わばグレードというんでしょうか、そういう、いろいろそのときのもちろん対応もありますけれども、それが生死を分けたという現実がありますので、しっかり検証して対応してまいりたいと思っております。

今回の報告書では、学校施設者が津波対策を検討する際には、学校の立地状況に関する正確な把握、まずこれが一番大事だろうということで、一律に高台に移転するとか、それから、そういうことではなくて、それぞれ学校の置かれている状況によって検討して、高台や津波避難ビルへの避難、あるいは校舎の屋上や上階層への避難、高台移転、あるいは高層化とか、そういうことをしっかりと検証した中で選んでいくことが重要だろうということを今示しておるところでございます。

また、避難所となる学校施設の在り方につきましては、学校設置者は、施設の安全性や必要な機能、円滑な運営方法、教育活動の早期再開を踏まえて防災機能を整備することが大変重要だと。これは、実は避難したときの初期対応、まずそのとき、それから一週間ぐらいたって、そしてさらに、今度はそこで生活、避難してきた人の生活まで考えなければいけない、その中で子供たちの教育活動をしっかり確保するのにはどうしたらいいかと、そういうことをきちんとマニュアル化しまして、学校施設整備指針の防災関連規定の充実、そして学校施設の津波対策や避難所の防災機能についての実態把握をしっかりとさせていただきまして、財政支援を学校設置者においてしっかり取り組めるように進めたいと思っておりまして、このマニュアル本を、災害に強い学校施設の在り方についてという、こういう一センチぐらいのマニュアル本ですが、全学校に配付したところでございます。

○山本香苗君 今お話ありましたとおり、今回の報告書の中で避難路というのが大変重要なポイントになっていますが、岩手県の岩泉町の小本小学校においては、ここは背後に十数メートル切り立った崖があって、大きく迂回しないと避難できない状況だったんですが、震災の二年前、そのときに避難路、避難階段を整備していたことで全員が無事だったと。また、岩手県の大船渡においても、同様に海岸から二百メーターぐらいしか離れていないところを震災直前に避難路を造っていたおかげで全員が助かったと、そういうことがあったわけです。すなわち避難路、避難階段の整備が急務です。国の財政支援、拡充が必要だと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(西川京子君) 今回の津波に関しては、例の、沖合に大きな堤防を造るとかいろんな案がありますが、まず避難だと、それが一番最重要課題だと思いますので、先生おっしゃるとおりに、この学校の避難路の整備のためにはしっかりと対応してまいりたいと思っております。

平成二十四年度から、防災機能強化事業を設けまして、避難路や外階段の設置、備蓄倉庫の整備等に補助対象、これ補助率三分の一なんですが、学校の防災機能の強化に取り組んでいるところでございまして、これ実は民主党政権のときの仕分で裏保障、交付金、そこの交付税措置がとられていたんですが、それがなくなりまして、そのことに関して、皆さん、大変自治体の方が苦労していらっしゃるということはよく分かっておりまして、今はそのまままだ続いておりますが、このことに対して財政支援の強化に努力してまいりたいと思っております。

○山本香苗君 根本大臣、今の話なんですね、当初、避難路の整備というのは、これ復興特会に計上していたんです。それが前政権のときにばさっと対象から外されたんです。整備しようとした自治体は手厚い支援が受けられなくなりました。

地震や津波が起これば、この避難路と避難階段の整備というのはもう絶対に必要なわけです。耐震化がなされていたとしても、それができなかったら命は守れないわけなんです。是非ともこれを、学校の耐震化同様に復興特会に戻していただきたい、検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(根本匠君) お話はよく分かりますが、復興関連予算、これにつきましては、昨年一月十日の復興推進会議における、流用等の批判を招くことがないよう使途の厳格化を行うこととの総理指示を受けて、二十四年度補正予算及び二十五年度当初予算について使途の厳格化を図りました。その際に、全国向け予算については、子供の安全確保に係る緊要性の高い学校の耐震化事業、津波災害を踏まえた新たに必要性が認識された一部公共事業、水門の自動化などですけど、既契約の国庫債務負担行為の歳出化分、これに限って例外的に復興特別会計に計上するものとされたところであります。

復興関連予算については、今このように使途の厳格化を図っているところでありますので、学校における、今委員のお話のあった避難路整備の重要性、これについては私も理解をいたしますが、緊要性の高い学校の耐震化事業には含まれておりませんので、復興特別会計に計上することは難しいと思います。今、西川副大臣からお話がありましたように、この財政支援の強化というお話がありましたので、そこのところとの合わせ技だなと私は思います。

○山本香苗君 東日本大震災の最大の教訓である素早い避難を後押しするものであって、流用にはなりません。是非、その認識を改めていただいて、やっていただきたいと思います。

岡田副大臣に一言だけ。被災地におけます子ども・子育て支援の状況というのがございます。被災地に行きました。ほかの自治体も頑張っているから、なかなか正直なところ声が出せない。震災業務とこの子育ての準備、本当に大変だと。

是非とも国から、聞いてきたら教えてあげるじゃなくて、是非ともその状況を被災地まで行って、見に行っていただいて、何をどうしたらいいのか寄り添って一緒に悩んでいただいて、必要な支援を行っていただきたいんです。実施主体は市町村です。県だけではなくて市町村に行っていただいて、被災地におきましても子ども・子育て支援新制度が着実に実施できるようにしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。終わります。