2021年2月4日木曜日

コロナの女性への影響で研究会


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国会議員の手記
コロナの女性への影響で研究会/党女性副委員長 
山本香苗

2020/12/08 公明新聞 6面
 新型コロナ感染症の拡大は女性に大きな影響を与えています。特に雇用における影響は深刻で、感染拡大が本格化した3月から非正規雇用労働者数は8カ月連続減少し、男性と比べ女性の減少が目立つ状況が今なお続いています。また、DVや性暴力も増加・深刻化しています。予期せぬ妊娠も増え、10月の女性の自殺者数は前年同月比で約83%増加しています。こうした女性たちの実態を政府として把握・分析し、速やかに政策につなげていくことが重要です。

 今年5月、党女性の活躍推進本部として、橋本聖子男女共同参画担当相に対し「新型コロナの感染拡大が、性別によって雇用や生活等にどういった影響を与えているのかについて調査・分析を行うとともに、新型コロナ感染症対策として実施されているさまざまな支援策を、ジェンダーの観点から課題がないかどうか、検討を行うため、有識者等による検討の場を設けること」を提案。その結果、9月30日、内閣府は有識者による「コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会」を設置し、有識者によるヒアリングが4回にわたり開催され、11月19日には緊急提言が取りまとめられました。

 緊急提言では、新型コロナ感染症の拡大は、特に女性への影響が深刻で「女性不況」の様相が確認されるとの認識を示し、政府に対し、自治体や民間企業等の協力を得ながら、ひとり親家庭への支援の強化や休校・休園の判断において女性・子どもへの影響を最大限配慮することなどを求めています。

 性別等によって不利益を被ることなく、誰もが生きやすい社会の実現こそ、女性活躍のめざすべきゴールです。党女性の活躍推進本部の本部長として、これからも真の女性活躍推進に全力で取り組んでまいります。

女性活躍加速のための重点方針2020の策定に向けての提言
令和2年6月19日
公明党女性の活躍推進本部

内閣府 コロナ下の女性への影響と課題に関する研究会


女性活躍推進担当大臣 橋本 聖子 殿
女性活躍加速のための重点方針2020の策定に向けての提言
本部長 山本 香苗
事務局長 伊藤  渉

 第二次自公政権においては、女性活躍推進が政策の中心的な柱の一つとして位置づけられ、推進されてきましたが、女性が仕事か子育てかの二者択一を強いられている実態は依然として残っており、新型コロナウイルス感染症拡大により、改めて家事負担等が女性に偏っている実態が浮き彫りとなりました。と同時に、貧困や暴力被害等様々な困難を抱える女性の存在が顕在化し、女性を巡るセーフティネットを再構築する必要性が高まっています。

 真の女性活躍推進を実現するためには、性別等によって不利益を被ることなく、1人ひとりが等しく尊重され、大切にされる社会を構築していかねばなりません。そのためには時間がかかったとしても、社会全体の意識を変革することが必要であり、政府をあげた取組が必要です。
 
 そこで、上記の認識に立ち、公明党女性活躍推進本部として、女性活躍加速のための重点方針2020策定に向け、特に盛り込んで頂きたい事項を以下のとおり提言いたします。政府におかれましては、最大限反映していただきますよう、強く要請いたします。

1.新型コロナウイルスの影響についての調査・分析 
新型コロナウイルス感染拡大が、性別によって雇用や生活等にどういった影響を与えているのかについて調査・分析を行うとともに、新型コロナウイルス感染症対策として実施されている様々な支援策を、ジェンダーの観点から課題がないかどうか、検討を行うため、有識者等による検討の場を設けること。

新型コロナウイルス対策として1人一律10万円支給する特別定額給付金は、迅速性を確保するという観点から世帯単位での支給となっているが、今後、同様の給付金の支給等にあたっては、迅速性を確保しつつ、世帯単位ではなく、原則個人単位で給付金を受け取れるようにすること。

2.様々な困難を抱える女性への支援 
貧困・暴力被害等様々な困難を抱えている女性に対し、行政と民間団体が横断的かつ有機的な連携・協働する体制を整備し、早期かつ切れ目のない包括的な支援体制を構築するため、婦人保護事業を見直し、売春防止法に換わる新たな女性支援の法的枠組みについての検討を加速化すること。
中でも特に支援につながりにくい若年女性や特定妊婦等への支援を充実させるため、平成30年度から実施している「若年被害女性等支援モデル事業」(アウトリーチ支援、居場所確保、自立支援)にオンライン相談対応や心理的ケア含む医療との連携といった機能を追加・拡充して来年度も引き続き実施するとともに、事業の本格実施を目指すこと。
貧困・暴力に加え、ひきこもり等困難を抱えている女性の就労や社会的自立につながる地方自治体におけるきめの細かい取組を後押しすることが不可欠であり、我が党の要請により今年度に創設した地域女性活躍推進交付金を活用する仕組みを来年度以降も引き続き推進するための予算を確実に確保すること。

3.性犯罪・性暴力やDVの被害者への支援等 
性犯罪・性暴力支援策の実施状況について、当事者や支援団体(特に若年女性被害者支援団体)等からのヒアリング等により継続的に把握・フォローアップし、支援策に反映させていく仕組みを構築すること。また、性暴力被害者支援のための全国共通の短縮番号によるナビダイヤルを早期導入・通話料の無料化を図るとともに、若年層が相談しやすいよう、SNS等による相談体制も速やかに構築すること。相談でつながった被害者を支援につなぐためには、全都道府県に設置されているワンストップ支援センターにおける24時間365日対応が不可欠であり、そのために必要な予算を来年度確実に確保するともに、医療費支援を拡充すること。

新型コロナウイルス対策の一環として実施しているDV相談+を令和3年度も継続実施するとともに、その実施状況を踏まえ、SNS等を活用した相談支援体制の恒久化を図ること。また、DV被害者の避難場所の確保と自立支援についても、民間支援団体等と連携しつつ、更なる充実を図ること。
DVと児童虐待を未然に防ぐため、地方自治体において民間団体と連携して子どもと家庭を見守る「支援対象児童等見守り強化事業」を来年度も引き続き実施すること。

4.ひとり親家庭への支援の充実・養育費支払い確保等 
ひとり親家庭の多くが経済的にも精神的にも大変厳しい状況にあるとともに、支援情報がなかなか届きにくいこと等も鑑みて、身近な地方自治体においてワンストップで適切な支援につなげる体制を構築すると共に、経済的支援、就労支援に加え、居住支援等支援メニューの充実を図ること。
また、離婚後の養育費不払い問題を解消するための法改正を含めた養育費制度の見直しを速やかに開始すること。その際、法務省と厚生労働省の間にタスクフォースを立ち上げ、最高裁とも連携すること。また、法務省は、司法アクセス・支援の改善のため、ひとり親家庭支援している民間団体や法律の専門家、法テラス、養育費の立て替え払い等独自の取組を実施している自治体の代表等をメンバーとする会議体を立ち上げ、ひとり親家庭の実態に即した検討を行うこと。検討に当たっては、様々な立場の声を反映させるため、公開シンポジウムの全国各地での開催など、関係者の意見を聞く機会を確保すること。

あわせて、実効性の高い法的な支援・解決のあり方について、来年度、地方自治体と連携したモデル事業を始めとする実証的調査研究を開始すること。

また、養育費相談センターや地方自治体における養育費の相談支援について、多様な方法での提供や、身近な地域での伴走型の支援、専門的な相談を更に充実・強化すること。あわせて、離婚前後の親支援モデル事業を拡充し、弁護士等による支援を含めた離婚前からの親支援の充実や、関係部署の連携強化を含めた地方自治体の先駆的な取組への支援を実施し、それらのうち効果のあるものの横展開を行うこと。

さらに、父母の別居時、離婚時における養育費、婚姻費用、適切かつ安全な面会交流等の取り決めに関して、動画等も活用しつつ、わかりやすい効果的な周知広報に努めること。
本来、離婚調停中のために別居し、生計を同じくしていないときは、児童と同居している親に児童手当が支給されることとなっているが、一部自治体では離婚しない限り支給変更しないといった運用がなされている。また、寡婦(夫)控除が児童と同居し扶養している親が受けるはずとなっているが、異なった実態があるといった指摘が当事者や支援団体等からなされている。こうした制度の趣旨と異なる運用実態を把握し、必要な対策を速やかに講ずること。

5.防災・復興における女性の活躍推進 
 「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」の活用を、関係省庁と地方3団体等が連携して地方自治体等に周知徹底するとともに、取組状況をフォローアップし定期的に公表すること。

 地方自治体の災害対策本部に男女共同参画部局が組み込まれるよう、地方自治体に対し、積極的に働きかけるとともに、男女共同参画センターが災害時に男女共同参画の視点からの地域の防災力推進拠点となるよう、国としても最大限支援すること。また、男女共同参画センター間をつなぐ相互支援システムを、全国女性会館協議会と連携しつつ、全国のセンターに広げる取組を支援するとともに被災地へ専門家を派遣する仕組みやオンラインで支援する仕組みを速やかに創設すること。

6.少子化対策・子育て支援の拡充等
女性に家事育児・介護、ダブルケア等の負担が偏っている現状を改善するためには、男性も女性も誰もが育児休業取得を当たり前に取得できるようにすることが肝要であり、男性のみならず、育休を取得する権利を有する労働者全てが取得できるよう、育休の分割取得の拡充など労働者のニーズに合った改善策を講じること。また、ドイツ等諸外国の取組を踏まえ、子育てしながら短時間勤務した場合も育児休業給付が受けられる仕組みの検討を進めること。

あわせてテレワークやフレックスタイム、時差出勤、年次有給休暇の時間単位での取得など、個々人の事情に応じた多様で柔軟な働き方をより一層推進するとともに、非正規から正社員への転換、フリーランス等雇用によらない働き方に対するセーフティネットについての検討を進めること。
出産に係る経済的負担軽減のため、出産に係る費用の実態を踏まえ、出産一時金を増額すること。改正母子保健法を踏まえ、産後ケア事業の全国展開を図ること。

「子育て安心プラン」の後継プランを策定し、引き続き、必要な保育の受け皿確保に努めるとともに、保育の質の向上、病児・病後児や医療的ケア児、多子・多胎児等多様なニーズに対応する取組を充実させること。緊急的な状況においても社会機能の維持に必要な職種である保育士等の人材は極めて重要であり、更なる処遇改善や宿舎借り上げ支援の拡充等により人材確保・定着支援の充実に引き続き取り組むこと。

「新・放課後子ども総合プラン」を着実に実施すること。その際、質の向上を図るため、研修を充実させるとともに、放課後児童支援員の配置状況等を把握・公表すること。医療的ケア児の定義を明確にするとともに医療的ケア児含め障害のある子どもの受入れ状況についても把握し、受入れ体制強化を図ること。

7.不妊治療等に係る経済的負担の軽減等
子どもを産みたいと望んでいる方々を後押しするため、不妊治療の経済的負担の軽減を図ることが急務であり、高額の医療費がかかる不妊治療に要する費用に対する助成を拡充し、所得制限730万円(夫婦合算所得ベース)を来年度から着実に引き上げること。また、不妊検査への助成、不妊治療の対象範囲の拡大、医療保険適用に向けた検討を開始すること。
不育症については、検査と治療によって85%が出産にたどり着けること等を周知するとともに、更なる支援の充実に努めること。あわせて、性差医療を推進し、生涯を通じた女性の健康を包括的に支援する体制を強化すること。

8.女性活躍の基盤整備
あらゆる分野における女性の参画が進むよう、環境整備に関する調査・情報提供等を実施するとともに、女性活躍の見える化をさらに推進すること。また、女性活躍を阻害しない制度や人材育成のあり方について各分野ごとに検討を行うこと。特に子育て支援等生活に直結する事業の実施主体となる地方自治体や地方議会における女性の参画は極めて重要であり、その活躍を後押しする施策を講ずること。

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